身内の不幸、結婚、夏休み。年休を減らさずに何日休める?公務員の「特別休暇」を条文で確かめる

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公開 2026年9月29日

夜、家族から電話が入る。
祖父が亡くなった、という知らせでした。
電話を切ったあと、頭に浮かぶのは悲しみと同時に、明日の職場のことです。

何日休めるのだろう。
年休はもう残り少ないのに、ここで使い切るしかないのか。
こんな夜に、規則の本を開く気にはなれません。

先に答えを言うと、身内が亡くなったときの休みは、年休とは別の「特別休暇」です。
国家公務員なら、祖父母で3日、父母なら5日、配偶者なら7日。
年休は減らず、給与も減りません。
結婚するときや夏休みにも、同じ仕組みの休みがあります。
この記事では、その日数を表にして、休む前にやることまでまとめました。

※本サイトでいう「公務員」には、独立行政法人・国立大学法人・日本銀行・日本年金機構等の職員(いわゆる準公務員)も含みます。
副業・兼業規定が国家公務員法・地方公務員法に準拠、または類似している職種を主な対象としています。

⚠️ 先にお断りしておきます

この記事で示す日数は、国家公務員(一般職)の決まりです。
警察官・消防職員・自治体職員・公立学校の先生など地方公務員は、自治体の条例と規則で決まります。
自衛官は別の決まりです。
自分の日数は、所属の人事担当や服務担当で確かめてください。

この記事の結論

📌 結論を先に

  • 身内の不幸・結婚・夏休みなどの休みは、年休とは別の特別休暇(勤務時間法19条)
  • 特別休暇で休んだ日は給与が減らない(給与法15条)
  • 身内が亡くなったら、配偶者7日・父母5日・子5日・祖父母3日など。遠方なら往復の日数を足せる
  • 結婚は連続5日まで、夏休みは原則連続3日
  • ボランティア年5日、骨髄の提供、裁判員、災害で家が壊れたときなども特別休暇
  • 要件に当たれば、職場は原則として承認しなければならない(人事院規則15―14 25条)
  • 地方公務員は条例、自衛官は防衛省の決まりで確かめる

年休とは別の「特別な理由の休み」がある

休みといえば年休しか思い浮かばない。
職場で「休む」と言えば、たいていそういう意味で通じるからです。
でも公務員の休暇は、年次休暇・病気休暇・特別休暇・介護休暇・介護時間の5つあります(勤務時間法16条)。
いつもの「年休」はこのうちの1つで、1年に20日です(同17条1項)。

特別休暇は、選挙や結婚、出産、交通機関の事故など、特別な理由で休むのが相当なときの休みです(同19条)。
どんな理由で何日休めるかは、人事院規則15―14の22条がまとめて並べています。

大事なのは、年休の日数を1日も使わないことです。
そして、休暇で休んだ時間は給与を減らさない決まりになっています(一般職の職員の給与に関する法律15条)。
つまり、特別休暇は「休んでも年休も給与も減らない休み」です。

「年休が残っていないから、休むのは無理だ」とあきらめかけていた人は、ここで少しほっとしてください。
理由によっては、年休とはまったく別の枠が用意されています。

身内が亡くなったとき、何日休める?

冒頭の場面の答えです。
親族が亡くなって、葬儀や喪に服すことなどのために休むときの決まりです。
亡くなった人との関係に応じて、決まった日数を続けて休めます(人事院規則15―14 22条1項13号・別表第二)。

亡くなった人休める日数(連続)
配偶者7日
父母5日
子5日
祖父母3日(代襲相続し、祭具などを受け継ぐときは7日)
兄弟姉妹3日
孫1日
おじ・おば1日(代襲相続し、祭具などを受け継ぐときは7日)
父母の配偶者・配偶者の父母3日(生計を一にしていたときは7日)
子の配偶者・配偶者の子1日(生計を一にしていたときは5日)
祖父母の配偶者・配偶者の祖父母1日(生計を一にしていたときは3日)
兄弟姉妹の配偶者・配偶者の兄弟姉妹・おじおばの配偶者1日

配偶者の親、つまり義理の父母は3日です。
一緒に暮らして家計も同じだった場合は7日に延びます。
ここは見落としやすいので、表の中でいちばん気にかけてほしい行です。

葬儀のために遠くへ行くときは、表の日数に往復にかかる日数を足せます。
実家が遠い人にとっては、とても大きな決まりです。
また、父母の法事など追悼のための特別な行事にも、1日の特別休暇があります(同14号)。

身内を亡くした直後は、日数を数える余裕などありません。
だからこそ、この表は元気なうちに一度見ておいてほしいのです。
私は、この表は職場の誰もが一度は目を通しておくべきものだと考えています。
いざというとき、上司に「祖父なので3日いただきます」と言えるだけで、気持ちの負担はずいぶん軽くなります。

🔗 あわせて読みたい

亡くなる前に、親の介護で仕事を休む日が増えてきたなら、介護のための休みの仕組みも先に見ておくと安心です。
→「親の介護が始まったら、公務員は休める?「介護休暇」と「介護時間」を条文で確かめる」

結婚するときは、連続5日まで

うれしい知らせのほうの休みもあります。
結婚式や新婚旅行など、結婚にともなう行事のための休みです。
連続5日まで、特別休暇を取れます(人事院規則15―14 22条1項5号)。

ただし「人事院が定める期間内」に取る決まりで、いつでも好きなときに取れるわけではありません。
結婚の日から大きく離れた時期に取れるかは、人事担当に確かめてください。
式の日取りが決まった段階で、早めに一言相談しておくのが安心です。

家族が増えるときの休みも、あわせて並べておきます。

場面休める日数根拠
自分が結婚する連続5日まで22条1項5号
妻が出産する(夫の側)2日まで22条1項9号
妻の出産の前後に、上の子や生まれた子の世話をする5日まで22条1項10号
不妊治療のために通院する1年に5日まで(体外受精などは10日)22条1項5の2号

不妊治療の休みは、周りに知られたくないと感じる人も多い休みです。
休暇の理由を誰にどこまで伝えるかは、人事担当に相談しながら決めて大丈夫です。

夏休みは、7月から9月に連続3日

公務員にも夏休みがあります。
お盆の行事や、心と体の健康、家庭生活の充実のための休みです。
7月から9月の間に、原則として連続3日の特別休暇を取れます(人事院規則15―14 22条1項15号)。

日数には、土日などの週休日や祝日は数えません。
平日の3日を土日とつなげれば、まとまった休みにできます。
業務の繁忙期でこの期間に取りにくい人は、6月から10月まで広げて取れます。

「夏休みを取ると、周りに申し訳ない」と感じて、結局取らずに秋を迎える人もいます。
でも、夏季休暇は取れる期間が決まっています。
その期間を過ぎれば、もう取れません。
取らなければ、そのまま消えてしまう休みです。

ボランティア・骨髄の提供・災害のときも休める

特別休暇は、家族の出来事だけではありません。
社会のための活動や、災害のときにも使えます。

場面休める期間根拠
選挙で投票などをする必要と認められる期間22条1項1号
裁判員・証人などとして裁判所などへ行く必要と認められる期間22条1項2号
骨髄バンクへの登録や、骨髄・末梢血幹細胞の提供(家族以外への提供)検査や入院などに必要な期間22条1項3号
被災地での支援や、障害者施設などでのボランティア(無報酬)1年に5日まで22条1項4号
災害で自宅が壊れ、片付けや避難をしている7日まで22条1項16号
災害や交通機関の事故で、出勤がとても難しい必要と認められる期間22条1項17号

被災地のニュースを見て、何か手伝えないかと思ったことがある人もいるはずです。
そのときに使えるのが、年5日のボランティアの休みです。
条件は、自分から進んで、報酬を受けずに行う活動であること。
もっぱら自分の親族を支えるための活動は含まれません。

大雨で電車が止まった朝、「遅刻したら年休を削られるのか」と焦った経験がある人もいるはずです。
出勤がとても難しいと認められれば、それも特別休暇の対象です。

職場は「承認しなければならない」

特別休暇を申し出ても、上司に嫌な顔をされないか。
そこがいちばん気が重いところだと思います。

決まりはこうです。
特別休暇の請求が要件に当たるなら、職場は承認しなければなりません(人事院規則15―14 25条)。
例外は、公務の運営に支障があり、しかも別の時期に休んでも目的を果たせる場合だけです。

葬儀は日にちをずらせません。
ですから、身内が亡くなったときの休みを「忙しいから」で断るのは、決まりの上ではとても難しいはずです。
言い出しにくくても、遠慮しすぎる必要はありません。

手続きは、前もって休暇簿に書いて請求するのが原則です(同27条1項)。
ただ、病気や災害などやむを得ない理由で前もって請求できなかったときは、理由を添えて後から承認を求められます。
訃報は突然です。
当日の朝は電話で上司に伝え、書類は出勤してから整える、という順番でかまいません。

急な訃報の朝、上司にどう伝えるか

決まりが分かっていても、電話をかける指が重い朝はあります。
迷ったときは、伝えることを3つに絞ると話しやすくなります。

  1. 誰が亡くなったか(例:祖父が昨夜亡くなりました)
  2. 何日休みたいか(例:特別休暇で3日いただきたいです)
  3. 急ぎの仕事をどうするか(例:今日の会議の資料は共有フォルダにあります)

3つ目があると、上司も安心して「行ってきなさい」と言えます。
引き継ぎは完璧でなくてかまいません。
どこに何があるかを一言添えるだけで十分です。

日数に自信がなければ、「何日休めるか確認させてください」と言ってしまって大丈夫です。
休暇簿は後から整えられるので、まずは家族のそばへ向かうことを優先してください。

地方公務員と自衛官は、自分の決まりで確かめる

ここまで読んで、「自分は県の職員だけど、同じ日数なのか」と気になった人もいると思います。
ここまでの日数は、国家公務員(一般職)の決まりです。
地方公務員の勤務時間や休暇は、それぞれの自治体の条例で決めます(地方公務員法24条5項)。
警察官・消防職員・自治体職員・公立学校の先生は、この形です。

「自分の自治体の忌引は何日なのか」は、例規集で「勤務時間」「休暇」と検索すると、条例と規則が見つかります。
人事担当に聞くのが気まずいときは、先に例規集を見てしまうのも手です。

自衛官など防衛省の職員は特別職で、国家公務員法の多くの決まりは当てはまりません(国家公務員法2条3項・5項)。
この記事の人事院規則の日数も、そのままは当てはまりません。
休暇の日数は、部隊の人事担当に確かめてください。

休む前にやること

いざというときに慌てないよう、順番に並べておきます。
今すぐ全部やる必要はありません。
まずは1つ目だけ、今日のうちに確かめてみてください。

  1. 自分がどの決まりで休むのか(国家公務員/自治体の条例/自衛官)を確かめる
  2. 身内が亡くなったときの日数表を、自分の決まりで一度見ておく
  3. 義理の父母など、生計を一にしていると日数が延びる相手がいないか確かめる
  4. 実家が遠い人は、往復の日数を足せるかを人事担当に聞いておく
  5. 結婚や夏休みの予定があるなら、取れる時期と日数を早めに相談する
  6. 急な訃報の朝は、まず電話で上司に伝え、休暇簿は後から整える

いざというときのメモ

分かるところだけで十分です。空いた欄は、人事担当に聞くことのリストになります。

自分が当てはまる決まり(国家公務員/自治体の条例/自衛官)

配偶者・父母・子・祖父母が亡くなったときの日数

義理の父母など、生計を一にしている家族と日数

遠方の葬儀で往復の日数を足せるか

結婚休暇・夏季休暇の日数と取れる時期

急なときに最初に連絡する相手(上司の連絡先)

人事担当に聞くこと

このページを印刷すると、この1枚だけが出ます。ブラウザの印刷からPDFとして保存することもできます。

❓ よくある質問

Q. 身内が亡くなったとき、年休を使わないといけませんか。

A. 国家公務員なら、年休ではなく特別休暇で休めます(人事院規則15―14 22条1項13号)。
年休の日数は減らず、休暇で休んだ時間の給与も減りません(給与法15条)。

Q. 忌引は何日休めますか。

A. 国家公務員は、配偶者7日、父母5日、子5日、祖父母3日などです。
兄弟姉妹は3日、孫とおじ・おばは1日です(人事院規則15―14 別表第二)。
葬儀のために遠方へ行くときは、往復の日数を足せます。

Q. 義理の父母が亡くなったときは何日ですか。

A. 配偶者の父母は3日です。
生計を一にしていた場合は7日になります(人事院規則15―14 別表第二)。

Q. 結婚休暇は何日ですか。

A. 結婚式や旅行など結婚にともなう行事のために、連続5日まで取れます(人事院規則15―14 22条1項5号)。
取れる時期には決まりがあるので、人事担当に確かめてください。

Q. 公務員の夏休みは何日ですか。

A. 7月から9月の間に、原則として連続3日です。
週休日や祝日は数えません。
業務の都合で取りにくい人は、6月から10月まで広げられます(人事院規則15―14 22条1項15号)。

Q. 上司に特別休暇を断られることはありますか。

A. 要件に当たる請求は、原則として承認しなければならない決まりです。
例外は、公務の運営に支障があり、別の時期でも目的を果たせる場合です(人事院規則15―14 25条)。

Q. 地方公務員も同じ日数ですか。

A. 地方公務員の休暇は、自治体の条例と規則で決まります(地方公務員法24条5項)。
例規集か人事担当で、自分の自治体の日数を確かめてください。

Q. この記事は、いつの時点の情報ですか。

A. 2026年9月29日に、e-Gov 法令検索で法律と人事院規則の条文を確かめた内容です。
改正が決まっているものは、使った条文の中身が変わらないことまで確かめています。

まとめ

  1. 身内の不幸・結婚・夏休みなどは、年休とは別の特別休暇
  2. 特別休暇で休んでも、年休も給与も減らない
  3. 身内が亡くなったら配偶者7日・父母5日・祖父母3日など。遠方なら往復分を足せる
  4. 結婚は連続5日、夏休みは原則連続3日
  5. 要件に当たれば、職場は原則として承認する決まり
  6. 地方公務員は条例、自衛官は防衛省の決まりで確かめる

✏️ 筆者から一言

私には、勤務の過酷さに給与が見合っていない、と感じながら働いていた時期があります。
家族がいて、生活の水準を落とす選択もできず、辞めるという道も簡単には選べませんでした。
辞めずに続けると決めたなら、その職場が用意している休みは、自分と家族の生活を守るための道具です。
遠慮して使わずにいるのは、もったいないことだと思います。
今日のうちに、自分の職場の忌引の日数だけでも確かめておいてください。

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この記事を書いた人

公務員UPDATE 運営者。元公務員(警察官)。交番勤務・自動車警ら係・刑事・生活安全を経験し、現在は独立して事業を営んでいます。記事では、在職中の経験か退職後の経験かを必ず区別して書いています。

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