年休が余ったら、来年に持ち越せる?公務員の「年次休暇」の日数と繰り越しを条文で確かめる

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公開 2026年10月2日

10月に入って、勤務管理の画面を開いたら、年休の残りが目に入った。
まだ十数日ある。
ここから年末までに、全部使い切れる気はしません。

使えなかった分は、12月で消えてしまうのか。
来年に回せるなら、何日までなのか。
1時間ずつ取った分は、何日として数えられるのか。
職場で誰かに聞くほどのことでもない気がして、そのままにしている人は多いはずです。

先に答えを言うと、国家公務員の年休は1年に20日で、使い切れなかった分は20日まで翌年に持ち越せます(勤務時間法17条、人事院規則15―14第19条)。
ただし、持ち越せるのは翌年まで。
その翌年に使わなければ、今度は本当に消えます。
この記事では、日数・持ち越し・取り方の単位・休みを申し出るときの決まりの4つを、条文で順に確かめます。

※本サイトでいう「公務員」には、独立行政法人・国立大学法人・日本銀行・日本年金機構等の職員(いわゆる準公務員)も含みます。
副業・兼業規定が国家公務員法・地方公務員法に準拠、または類似している職種を主な対象としています。

⚠️ 先にお断りしておきます

この記事の日数と決まりは、一般職の国家公務員のものです。
地方公務員の休暇は、自治体の条例で決まります(地方公務員法24条5項)。
国と同じとは限らないので、自分の自治体の条例と規則で確かめてください。
自衛官は国家公務員法の外にいるので、この記事の内容はそのまま当てはまりません。

この記事の結論

📌 結論を先に

  • 年休は1年に20日。区切りは1月から12月(勤務時間法17条1項)
  • 年の途中で採用された人は、その年の在職期間に応じて少なくなる。4月採用なら15日(人事院規則15―14別表第一)
  • 使い切れなかった分は、20日まで翌年に持ち越せる(同17条2項、規則19条)
  • 持ち越した分は翌年かぎり。もう一度は持ち越せない
  • 取り方は1日が基本。必要なときは1時間・15分でも取れ、7時間45分で1日と数える(規則20条)
  • 年休は承認制。ただし職場は、公務の運営に支障があるときでなければ承認しなければならない(同17条3項)
  • 地方公務員は条例で決まる。区切りや持ち越しの扱いは自治体で確かめる

年休は1年に20日。区切りは「1月から12月」

まず、そもそも何日あるのかです。
国家公務員の年休は、1年ごとに20日です(勤務時間法17条1項1号)。
この「1年」は、年度ではなく暦の年です。
1月1日に始まり、12月31日で区切られます。

4月に異動や昇任がある職場では、どうしても「年度」で物事を考えがちです。
でも年休の区切りは12月31日です。
10月に残りの日数が気になり始めるのは、感覚として正しいということです。

残りが多くて焦っている人も、少なくて不安な人もいるはずです。
どちらにしても、いまの時点で数字を正しくつかんでおけば、年末までの3か月で打てる手はまだあります。

年の途中で採用された人は、20日より少ない

4月に採用された人の画面を見ると、20日になっていないことがあります。
これは間違いではありません。
年の途中で採用された人の年休は、その年に在職する期間に応じて決まります(勤務時間法17条1項2号、人事院規則15―14第18条の2)。

その年の在職期間年休の日数
1か月に達するまで2日
3か月を超え4か月に達するまで7日
6か月を超え7か月に達するまで12日
8か月を超え9か月に達するまで15日
11か月を超え1年未満20日

たとえば4月1日に採用された人は、その年の在職期間が12月31日までの9か月なので、15日です(規則15―14別表第一)。
10月1日に採用された人なら、3か月で5日です。
翌年の1月からは、ほかの人と同じ20日になります。
入ったばかりの年は、ただでさえ休みを言い出しにくいものです。
自分には15日ある、と数字で知っているだけで、夏や年末の予定はずっと立てやすくなります。

自治体や行政執行法人などから、間を空けずに国へ移ってきた人は、扱いが違います(勤務時間法17条1項3号)。
20日に前の年の残り(20日まで)を足し、移るまでにその年に使った日数を引いた日数になります(規則15―14第18条の2第4項1号)。
前の職場での休みが、まるごとリセットされるわけではないということです。
移ってきたばかりで日数が腑に落ちないときは、人事の担当に計算を見せてもらってください。

使い切れなかった分は、20日まで来年に回せる

ここが、いちばん気になるところのはずです。
その年に使い切れなかった年休は、20日を上限に翌年へ持ち越せます(勤務時間法17条2項、人事院規則15―14第19条)。

今年の使い方来年に持ち越せる日数来年に使える日数(新しい20日と合わせて)
20日のうち5日使った(15日残った)15日35日
20日を1日も使わなかった20日40日
20日を全部使った0日20日

条文には、持ち越しのルールがもう1つ書いてあります。
持ち越せるのは、その年に新しく付いた分だけです(勤務時間法17条2項)。
去年から持ち越してきた分を、さらにもう1年持ち越すことはできません。

つまり、手元に40日あっても、来年に回せるのは20日までです。
去年から持ち越した分のうち、今年使い残した日は、12月31日で消えます。
持ち越し分と今年の分のどちらから先に減っていくかは、この2つの条文には書かれていません。
勤務管理の画面の内訳か、人事の担当に確かめておくと安心です。

「休まずにためておけば、いつかまとめて休める」と考える人もいるはずです。
でも制度は、そういう貯め方を想定していません。
ためた分は最大でも1年しか待ってくれない、と覚えておいてください。
持っている休みが気づかないうちに消えていくのは、やはりもったいないことです。

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年休を減らさずに休める場面があることを知ると、残りの日数の使い道が変わります。
身内の不幸や結婚、夏休みは、年休とは別の枠です。
→「身内の不幸、結婚、夏休み。年休を減らさずに何日休める?公務員の「特別休暇」を条文で確かめる」

1時間だけ、15分だけでも取れる

子どもの迎え、役所の手続き、通院。
丸一日は要らないけれど、少しだけ抜けたい場面はよくあります。

年休は1日単位が基本です。
ただ、特に必要があると認められるときは、1時間や15分を単位にして取れます(人事院規則15―14第20条1項)。
1時間や15分で取った分を日数に直すときは、7時間45分で1日と数えます(同条2項1号)。
朝、子どもが熱を出して、病院に寄ってから出勤する。
そんな日に、丸1日分を削らなくて済むということです。

取り方使える場面の例日数への直し方
1日旅行、家族の行事、体を休める日1日
1時間通院、子どもの迎え、銀行や役所の用事7時間45分で1日
15分朝の少しの遅れ、終業前の少しの用事7時間45分で1日

ネットでは「半日休」という言葉もよく見かけます。
ただ、いまの人事院規則の単位は1日・1時間・15分の3つで、半日という単位はありません。
午前だけ休みたいなら、その時間数を時間単位で取る形になります。

年末に「あと何日残っているか」を数えるときは、時間で取った分も忘れずに足してください。
画面の表示が「日」と「時間」に分かれていると、思っていたより残っていた、ということがよくあります。
8時間取ったら1日分、ではなく、7時間45分で1日分です。
この15分の差は、積み重なると意外に効いてきます。

申し出たのに「その日は困る」と言われたら

年休は、取りたい時期について職場の承認を受ける仕組みです(勤務時間法17条3項)。
あらかじめ休暇簿に書いて請求します(人事院規則15―14第27条1項)。
急な病気など、前もって請求できなかったときは、あとから承認を求めることもできます(同項)。

承認といっても、職場が自由に断れるわけではありません。
公務の運営に支障がある場合を除いて、職場は承認しなければならない、と条文に書いてあります(勤務時間法17条3項)。
断ってよいのは、その日に休まれると仕事が回らないときだけ、ということです。

上司に休みを言い出すのは、どの職場でも少し気が重いものです。
でも条文の上では、承認するかどうかの物差しは「公務に支障があるか」で、休む理由の中身ではありません。
私は、理由を聞かれて答えにくい空気そのものが、年休を余らせている大きな原因だと考えています。
言える範囲で短く伝えれば、それで十分です。

もう1つ、見落とされやすい点があります。
断られた日の年休は無くなりませんが、年末が近いと、取り直す日が残っていないことがあります。
去年から持ち越した分は、12月31日を過ぎれば消えてしまいます。
だからこそ、持ち越し分は年末に寄せず、秋のうちに予定を出しておくのが安全です。

地方公務員・先生・警察官・自衛官は?

地方公務員の休暇は、自治体の条例で決まります(地方公務員法24条5項)。
多くの自治体で年休の仕組みは国と似ていますが、日数の区切りや持ち越し、取れる単位が同じとは限りません。
自分の自治体の勤務時間条例と、その規則で確かめてください。
職員向けの「勤務時間・休暇の手引き」がある自治体なら、そちらのほうが読みやすいはずです。
国の記事を読んで安心していたら、自分の自治体は区切りが違った。
それがいちばん避けたい形なので、ここだけは一度、自分の目で確かめてください。

公立学校の先生も、勤め先の県や市の条例で決まります。
警察官の大半は都道府県の職員なので、地方公務員の側で確かめることになります。

自衛官は、国家公務員法が適用されない特別職です(国家公務員法2条3項・5項)。
休暇の決まりは防衛省の側にあり、この記事の日数はそのまま当てはまりません。
部隊の人事の担当に確かめてください。

ネットで見かける「公務員の年休は20日、繰り越し20日」という説明は、国家公務員の話です。
自分がどの決まりの上にいるのかを先に確かめる。
それだけで、勘違いのまま年を越すことはなくなります。

年末までにやること

10月のいまから始めれば、残りの年休を無理なく使えます。
順番に並べておきます。

  1. 勤務管理の画面で、今年の残りを「日」と「時間」の両方で確かめる
  2. そのうち、去年から持ち越した分が何日あるかを確かめる。使い残すと年末に消えるのはこちら
  3. 来年に持ち越せるのは20日まで。それを超える分を、年末までに使う日として書き出す
  4. 通院や手続きなど、1時間や15分で済む用事をここに当てはめる
  5. 職場の繁忙期を避けて、早めに休暇簿に書き、上司へ予定を伝える
  6. 地方公務員なら、条例と規則で区切りと取れる単位を確かめる

年休の残りの確認メモ

分かるところだけで十分です。空いた欄は、人事や庶務の担当に聞くことのリストになります。

今年の残り(日数と時間)

そのうち去年から持ち越した分

年末に消える見込みの日数

年末までに休みたい日・用事

職場の繁忙期(避けたい時期)

自分の休暇の決まり(国・自治体の条例・自衛官)

担当に聞くこと(区切り・時間単位の扱いなど)

このページを印刷すると、この1枚だけが出ます。ブラウザの印刷からPDFとして保存することもできます。

❓ よくある質問

Q. 公務員の年休は、1年に何日ありますか。

A. 一般職の国家公務員なら、1年に20日です(勤務時間法17条1項1号)。
年の途中で採用された人は、その年の在職期間に応じて少なくなります(人事院規則15―14別表第一)。

Q. 使い切れなかった年休は、消えてしまいますか。

A. 20日を上限に翌年へ持ち越せます(勤務時間法17条2項、人事院規則15―14第19条)。
持ち越した分をさらに翌々年へ持ち越すことはできません。

Q. 年休は最大で何日まで持てますか。

A. その年の20日と、前の年から持ち越した20日を合わせた40日が上限です。

Q. 半日だけ年休を取れますか。

A. 人事院規則の単位は1日・1時間・15分で、半日という単位はありません(人事院規則15―14第20条1項)。
半日休みたいときは、その時間数を時間単位で取ります。

Q. 時間単位で取った年休は、何日として数えますか。

A. 7時間45分で1日と数えます(人事院規則15―14第20条2項1号)。

Q. 上司に年休を断られることはありますか。

A. 年休は職場の承認を受けて取りますが、公務の運営に支障がある場合を除き、職場は承認しなければなりません(勤務時間法17条3項)。
断られた日の年休は無くならないので、別の日に取り直します。

Q. 地方公務員も、同じ日数ですか。

A. 地方公務員の休暇は、自治体の条例で決まります(地方公務員法24条5項)。
区切りや持ち越しの扱いは、自分の自治体の条例と規則で確かめてください。

Q. この記事は、いつの時点の情報ですか。

A. 2026年10月2日に、e-Gov 法令検索で法律と人事院規則の条文を確かめた内容です。
勤務時間法と人事院規則15―14に、まだ施行されていない改正が無いことも確かめています。

まとめ

  1. 国家公務員の年休は1年に20日、区切りは1月から12月
  2. 残った分は20日まで翌年へ。持ち越し分は翌年かぎり
  3. 1日が基本で、必要なら1時間・15分でも取れる。7時間45分で1日
  4. 職場は公務に支障があるときでなければ承認しなければならない
  5. 持ち越し分は年末に寄せず、秋のうちに予定を出す
  6. 地方公務員は条例で、自衛官は防衛省の決まりで確かめる

✏️ 筆者から一言

私は在職中、勤務の過酷さに給与が見合っていないと感じていました。
給与は、自分の力ではすぐには変えられません。
でも年休は、条文がはっきり認めている、自分の側から使える数少ない待遇です。
生活を守るためにいまの職場で続けると決めたなら、せめて休みは取りこぼさないでほしいと思っています。
今日、勤務管理の画面を開いて、去年から持ち越した日数だけでも確かめてみてください。

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この記事を書いた人

公務員UPDATE 運営者。元公務員(警察官)。交番勤務・自動車警ら係・刑事・生活安全を経験し、現在は独立して事業を営んでいます。記事では、在職中の経験か退職後の経験かを必ず区別して書いています。

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