「公務員として、どう生きるか。」
※本サイトでいう「公務員」には、独立行政法人・国立大学法人・日本銀行・日本年金機構等の職員(いわゆる準公務員)も含みます。
副業・兼業規定が国家公務員法・地方公務員法に準拠、または類似している職種を主な対象としています。
これは、このブログの名前の下に置いている一文です。
大げさに聞こえるかもしれませんが、実際に働いていると、この問いは避けて通れません。
異動は自分で選べず、評価の基準も外からは見えにくい。
給与表はほぼ決まっていて、努力の量と収入が直結しない。
そういう環境の中で、10年後の自分をどう考えればいいのか。
この記事では、公務員UPDATEが何を大切にして記事を書いているのかを、3つの考え方として整理します。
他の記事を読む前の見取り図として使ってください。





※ 写真はイメージです(生成AIで作成)。ここに挙げたのは例であり、対象をこれらの職種に限る趣旨ではありません。
この記事の結論
📌 結論を先に
- 「安定か挑戦か」の二択で考えると、たいてい判断を先送りすることになる
- 動く前に制度を確認する。公務員は、知らずに動くと処分の対象になる領域がある
- 辞めることは手段であって目的ではない。辞めなくても選べる状態をつくるほうが先
なぜ「どう生きるか」という問いになるのか
民間企業であれば、キャリアの問いはたいてい「どの会社で働くか」「何の仕事をするか」という形をとります。
転職市場があり、比較する対象があるからです。
公務員の場合、そこが少し違います。
職場を選ぶ余地は入庁時にほぼ決まっていて、その後は組織の都合で配属が変わっていく。
仕事の内容も、自分で決めるというより与えられるものに近い。
だから問いが「どの仕事をするか」ではなく、与えられた条件の中で、自分の時間と人生をどう使うかという形になります。
もう一つ、民間との違いがあります。
公務員は、勤め先が倒産する可能性がきわめて低い代わりに、働き方の選択肢を自分で増やしにくい立場にあります。
転職エージェントに登録して相場を眺める、という民間では当たり前の動きも、公務員だと「そこまでするのか」という気分になりがちです。
しかし情報を集めること自体は、何の規定にも触れません。
これは不利な条件のように見えて、実は考える順番がはっきりしているということでもあります。
仕事の中身を変えられないなら、変えられるところ、つまり「仕事の外側の時間」「お金の置き方」「先の選択肢の数」から手をつければいい。
このブログが扱っているのは、その3つです。
考え方1|安定か挑戦かの二択で考えない
公務員のキャリアの話は、たいてい「安定を取るか、挑戦するか」という形に落とし込まれます。
しかしこの二択は、実際にはほとんど役に立ちません。
理由は2つあります。
- そもそも「安定」の中身が分解されていない。雇用の安定と、収入の安定と、生活の安定は別のものなのに、一語でまとめられている
- 二択にすると、どちらも選べないときに「今は決められない」という結論になり、何もしないまま時間が過ぎる
現実的なのは、続けながら備えるという三つ目の選択肢です。
在職したまま資格を取る、在職したまま転職市場の相場を調べる、在職したまま制度の範囲で収入源を増やす。
どれも辞表を出さずにできることで、しかも実際に辞めるかどうかの判断材料になります。
安定の中身については、公務員を続けるメリット・デメリットで分解して扱っています。
考え方2|動く前に、制度を確認する
これは公務員に特有の、そして最も重要な点です。
民間であれば「まずやってみる」が正解になる場面は多いのですが、公務員の場合、行動の前に確認しなければならない制度があります。
代表的なのが副業・兼業です。
国家公務員法と地方公務員法には、営利企業への従事や自ら事業を営むことを制限する規定があり、どこまでが許可不要で、どこからが許可・承認を要するのかが決まっています。
知らずに始めてしまえば、収入の多寡にかかわらず処分の対象になり得ます。
逆に言えば、制度を読めば、やっていい範囲は明確に書いてあります。
曖昧なまま避け続けるのも、曖昧なまま踏み込むのも、どちらも損です。
詳しくは公務員の副業・兼業はどこまでOK?で、条文と一次情報にあたりながら整理しています。
考え方3|辞めることを目的にしない
「公務員 辞めたい」で検索すると、辞めた人の体験談がたくさん出てきます。
参考になる部分はありますが、一つ気をつけたいことがあります。
辞めた人の話は、当然ながら辞めた人の話だという点です。
辞めるかどうかは手段の選択であって、目的ではありません。
本当に決めたいのは「どういう状態になりたいか」のはずで、その状態に至る道筋が退職しかないのかどうかは、別に検討する必要があります。
実際、辞めたい理由が「上司との関係」「特定の部署の業務量」であれば、異動で解決する可能性があります。
「収入が上がらない」であれば、制度の範囲でできることが残っているかもしれません。
判断の順番については公務員を辞めたい・辞めるべき?にまとめました。
3つの考え方は、順番に効いてくる
この3つは並列ではなく、順番があります。
先に制度を確認しないまま二択の話をしても、選択肢の数を見誤るからです。
実際に手をつけるなら、次の順番になります。
- 知る。自分の職種にかかる規定を読み、許可・承認が要るのはどこからかを確認する
- 試す。許可不要の範囲で、小さく動いてみる。資格の勉強でも、相場を調べるだけでもいい
- 決める。試した結果を材料にして、続けるか、動くかを判断する
多くの場合、詰まるのは1番目です。
制度を確認する作業は面倒で、しかも自分の組織の規則を探すところから始めなければならない。
ただ、ここを飛ばすと2番目以降がすべて推測になります。
最初の30分を制度の確認に使うだけで、その後の判断の質が変わります。
✏️ 筆者から一言
在職中は「この働き方をあと何十年続けるのか」と考えたことが何度もあります。
ただ、当時の自分に足りなかったのは覚悟ではなく、情報でした。
何が許されていて何が許されていないのか、辞めた場合に何が起きるのか。
それを知らないまま悩んでいた時間が、いちばんもったいなかったと思っています。
このブログで扱うこと・扱わないこと
方針をはっきりさせておきます。
| 扱うこと | 扱わないこと |
|---|---|
| 条文や公的資料で裏の取れる制度の話 | 出典のない「らしい」という話 |
| 在職中にできる準備 | 退職を煽る内容 |
| 筆者が実際に経験した範囲のこと | 経験していないことの体験談風の記述 |
| 規制の内側でできることの整理 | 規制をかいくぐる方法 |
最後の行は特に徹底しています。
たとえば「家族の名義にして実質は自分が経営する」といった話は、当ブログでは推奨しません。
扱う場合も、なぜそれが危険なのかという警告としてのみ扱います。
準公務員も対象に含めている理由
当ブログは、独立行政法人・国立大学法人・日本銀行・日本年金機構などで働く方も読者として想定しています。
これらの組織は、副業・兼業に関する規定が国家公務員法・地方公務員法に準拠しているか、それに近い内容になっていることが多く、キャリアやお金についての悩み方も公務員と共通する部分が大きいためです。
たとえば独立行政法人の職員であれば、副業の可否は各法人の規程で決まりますが、その多くは国家公務員の取り扱いを参照して作られています。
したがって、国の制度がどう動いたかを知っておくことには意味があります。
一方で、完全に民営化された組織は対象に含めていません。
根拠となる規定が違えば、書けることも変わってくるからです。
まとめ|まず、自分がどの段階にいるかを知る
3つの考え方をもう一度並べておきます。
- 安定か挑戦かの二択で考えない。続けながら備えるを三つ目の選択肢に置く
- 動く前に制度を確認する。特に副業・兼業は、知らずに動くと取り返しがつかない
- 辞めることを目的にしない。辞めなくても選べる状態をつくるほうが先
付け加えるなら、この3つはどれも「今の職場を否定しない」考え方です。
公務員の仕事そのものは、社会の中で誰かがやらなければならない仕事であり、続けることを選ぶのは十分に合理的な判断です。
ただ、それが「他に選べないから続けている」のか「比べたうえで選んでいる」のかでは、同じ仕事をしていても納得の度合いがまるで違います。
選べる状態をつくったうえで、続けることを選ぶ。
このブログが目指しているのはそこです。
どれも、今日から始められることばかりです。
自分がいまどこで詰まっているかによって、次に読む記事を選んでください。
📖 次に読みたい記事
- 将来が漠然と不安なら →「30代公務員「このままでいい?」将来が不安になったときに考えたい5つのこと」
- 制度の範囲を先に知りたいなら →「公務員の副業・兼業はどこまでOK?」
- 「安定」の中身が気になるなら →「公務員を続けるメリット・デメリット」
- 全体像から確かめたいなら →「公務員のキャリア形成完全ガイド」

